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  • 執筆者の写真原田洋一

mBotをアプリでプログラミング


前回は、パソコンインストールアプリのmBlockを紹介しましたが、mBlockには、iOS、Android用のアプリが用意されています。→ダウンロードページはこちら

今回は、手元のASUSのZenPad10というAndroid6の10インチタブレットにこれをインストールして使ってみました。(以下の画面キャプチャはすべてそのタブレットのものです) PC用のmBlockはほとんどScratch2.0そのままというイメージでしたが、そもそもScratchにはタブレットアプリが存在しません。そのため、タブレット用のmBotはScratchをベースにしているのではなく、独自開発のアプリのようです。

GooglePlayからアプリをダウンロードしてインストールし、起動するとこの画面が表示されます。PC版のmBlockは、パンダのキャラクターがいて、それがアイコンにも使われていたのですが、今度はmBotくんみたいなキャラクターがいて、これがメインになっています。

ところで、この画像はスマホ向けなのか、10インチタブレットで見るとちょっと解像度が低くぼやけた感じを受けます。このアプリをスマホの小さな画面で操作するのはけっこうたいへんのような気がしますが、主にスマホで使われることを想定しているのでしょうか? この辺のアバウトさはどうしても気になりますね。日本人だもの...^^;(ただ、この先はタブレットで見ても解像度が気になる画像はありませんでしたが)

スプラッシュ画面が消えると、すぐにこの画面が出ます。mBotの電源を入れて、タブレットを近づけると....

すぐにペアリングが始まり、あっというまに接続が完了します。(接続すると、mBotがちょこっと反応します)この手順のスマートさにはちょっと驚きました。マインドストームEV3にもタブレットアプリ版のプログラミング環境があって、Bluetooth接続できるのですが、それよりもずっと簡単に接続ができます。これは子どもにとってものすごく使いやすいと思います。

ただこのペアリング、家庭内で使うには全く問題がないと思うのですが、イベントなど、複数台がある場所でうまくいくかどうかは、1台しか持っていないので検証できていません。そういうところでもあまり問題ないようだと、けっこう教室やイベントなどでも使えると思います。

ペアリングが完了すると、このような画面になります。タブレット向けのmBlockは、以前からあったのですが、最近バージョンアップされて左側の「ストーリー」というのが追加されたみたいです。チュートリアルですね。右の「創作」というのは、普通のプログラム画面です。最初はチュートリアルを使ってみます。

今公開されているのは、1〜10のチュートリアルで、それぞれ7〜9問の構成となっています。 10の次のところには、「新しいミッションアップデート予定.....」と書かれているのですが、いつ次のアップデートが来るのか、最終的にいくつくらいのチュートリアルになるのかは、GooglePlayのアプリ解説のところにも記載はありませんでした。

まず「1:順序」に入ってみました。というか、問題を解いていかないと鍵のかかっているところは開けませんので、最初はここに入るしかありません。まあ、最近のプログラム学習アプリなどはだいたいこういう方向ですね。では最初の1を開くと.....

何と、いきなりのパンダくん登場です! しばらく見ないうちに、ちょいワル風にイメージチェンジしています(笑) 勝手に「パンダくん」と呼んでいたのですが、本当にそういう名前だったのでした。自分で名のってます^^;

チュートリアルの内容は、段階を追ってブロックを並べていくものです。演出にはかなり気が使われているように感じました。この手のチュートリアルは、同じ演出で中身だけを入れ替えてどんどん画面を作っていく傾向が強いんですが、チュートリアルによって必要なものだけが表示されるようになっていたり、それが課題の段階を追うごとに変化するようになっていたりします。また、同じ内容が繰り返し出題される事があるなど、けっこう細かくカリキュラムが構成されているのです。これは、製作者がいろいろ考えながら画面を作っている事の結果だと思います。

実際やっていると、同じことを何度もやらされたりしてちょっとめんどくさい印象もあったりするのですが、子ども向けに理解させよう、定着させようと工夫している姿勢が見えるのは好印象を持ちました。(ただ、その内容が最高にすばらしいかというと、ここは賛否もあるような気がしますが。)

課題をクリアすると、画面上にWIN!というマークが出て、正解であることを教えてくれるのですが、斬新で感心したのは、このとき同時にmBotのランプが点灯しサウンドと共にちょこっと左右に動いて、一緒に喜んでくれるんですね。これはけっこうかわいくて、なんとなくやる気になります。こういう演出はなかなかでした。

一方、これはこの手のチュートリアルの宿命といってもいいのですが、あらかじめ出題側が用意した模範解答と全く同じブロックの並びを再現しないと正解と認めてもらえません。

つまりこのチュートリアルの中ではプログラミングの正解は常に1通りしかないのです。それでも最初の頃は、あまり別解がないようなものが多いでしょうが、これからだんだん複雑になっていくとそれなりにいろいろな表現方法があるはずです。ただ、これはチュートリアルにAIでも持ち込まないと解決しないでしょうから、なかなか難しい問題です。

ちなみに、ちょっと期待していたSONYのKOOVのチュートリアルでもこの問題についてのアプローチは全く同じでした。KOOVの場合は、課題の合間に「プログラムの作り方はいろいろあって正解は一つではない」というようなメッセージが表示されるのですが、これがかえって「いいわけ」にしか聞こえないのですよね。まあ、この辺はまだ機械的なチュートリアルの限界だと割り切るしかないのだと思います。(まあ、こんなこともAIでクリアできるようになったら、それこそプログラミングを教える人間の教師も職を失うようなことになるのかもしれませんが...)

さて、チュートリアルを離れて、「創作 Beta」の方に行くと、こちらは普通のプログラム作成画面です。このツールで使えるコマンドブロックが全部ならんでるわけなので、一応チェックしてみました。

最近のビジュアルプログラミングツールにあるものは一通りそろっているようです。関数、変数も使えますが、配列はないみたいですね。その一方で、速度の欄にマイナスの数値が入れられないとか、任意の数値が入力できない等の「あれ?」という仕様があったり、コマンドのところの日本語に変なのがあるとか、まあいろいろとあるのですが、こちらはまだベータ版ということなので、そのうち変わっていくのではないかと思います。

「検知」のところには、mBotのセンサーの値などを扱うブロックが揃っていますが、デフォルトのmBotには装備されていないオプションのセンサー類に関するコマンドも全部並んでいますので、現状使えるのはどれかというのがちょっとわかりにくいです。コマンドを眺めていたら、「炎を検知した時」とか「ガスを検知した時」とかのコマンドがあり、「そんなセンサー売ってるのかよ」と思って、会社のホームページを見たら、本当に売ってました(笑) さすが中国製は大胆ですね。でも、こんなセンサーの実験して大丈夫なんでしょうか? 良い子は触らないほうがよさそうです^^;

とまあ、いろいろありますが、この価格帯のロボットとしてはなかなか頑張っていて、好感持てるところが多いという印象は変わりませんでした。EV3を使っていると、ある意味「出来上がりすぎ」な部分を感じることもあるのですが、mBotはそこまでは作り込まれていません。子どもたちにとって、そういう違いを体験することも案外重要だと思います。EV3に慣れた子どもにmBotを使わせてみて、どういう感想を持つか、いつか試してみたいと思っています。

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