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  • 執筆者の写真原田洋一

マインクラフトでクリエイティブに遊ぶ② Scratch3.0の教材としての意味

更新日:2021年10月30日

 MCブロックビルダーについては、今(2021年7月現在)、株式会社みらいスクールさん運営のGifte!という子ども向けの様々なイベントをプロデュースしているサイトで採用いただき、定期的にイベントを実施しています。


 このイベントで講師をつとめて思ったのは、「思った以上にScratchを触った経験が無い」子どもがまだ案外いるのだということです。年齢的な差異もあると思いますが、平均するとまだ半数近い子どもがScratchをほとんど触ったことが無い印象を受けます。またScratchを使った経験があっても「変数」は使ったことがない、聞いたこともないという子も案外います。そういう子どもたちでもイベントに参加いただけるというのは、やはりマインクラフトというコンテンツの強さなのだと改めて思います。


 こんな状況ですが、僕が今Gifte!でやっているイベントでは、そんな子どもたちにも一気に変数の体験までやってしまっています。ふつう、初めてScratchを触った子どもさん相手に、2時間で一気に変数まで行くというのは、ちょっと難しいと思うのですが、マインクラフトというゲームへの興味をテコに、そこまでやれてしまうと言うのが、このMCブロックビルダーの良いところではないかと思っています。


 僕のGifte!のイベントの内容は、だいたいこんな順番で構成しています。

1)3次元座標の説明

2)PC版マインクラフトの操作の基本

3)マインクラフトの世界と、Scratchの画面を行ったり来たりする方法

4)点ブロックで、1つブロックを置く

5)点ブロックでスノーゴーレムを作る

6)線ブロックを使ってスノーゴーレムを改造してアイアンゴーレムを作る

7)箱ブロックの使い方(屋根がガラスのビルディングを作る)

8)円ブロックで地上絵をつくる

9)変数の説明〜円ブロックの半径を変数にする

10)円ブロックのY座標を変数にする


 (1)〜(6)でだいたい1時間。残りで1時間くらいの時間配分になります。この間に、マインクラフトのコマンド(/time set 0と/weather clearだけですが)の説明を入れたり、ゴーレムを作ったら、「○回繰り返す」でゴーレムを大量発生させたりなどの遊びを取り入れながら十分進行できています。イベント自体は、Gifte!の事務局さんにも大変参加者の満足度の高いイベントとご評価いただいており、最近は毎回満席状態です。


◀スノーゴーレムを10体連続発生させるプログラムです。

「点」と書いてあるブロックがMCブロックビルダーによる拡張ブロックです。








 特に、(9)で変数の説明をしてから、実際に変数をプログラムに組み込むのをやってみて、実行すると「うわー」というところを、何よりも大事にしています。



◀「円」を作るブロックの半径とY座標(高さ)を変数にして実行します。



◀プログラムを実行すると、突然こんな形の作品ができあがります。ここで、たいてい歓声があがります。



 初めてScratch触った子が、2時間で変数使うなんて信じられないと思う方もいると思います。実際私もやってみるまではちょっと半信半疑だったのですが、いざやってみると、保護者の方のサポートもあり(Gifte!のイベントは保護者同伴が必須なのです)、けっこううまくいって、そのうえで「感動」していただけるのです。子どもだけでなく、プログラミングのことをあまりご存じなかった保護者の方から、「プログラミングの考え方がどのようなものかよく分かった」という感想をいただくことも少なくありません。



◀時間があるときは、最後にこれを課題として出します。変数の数値を変えるだけでこの形が作れます。






 たった2時間のイベントですので、ここで「変数を使うと、Scratchって、けっこういろんなことができるんだね」というイメージを感動とともに体験してもらって、それを持って帰ってもらえばいいと思うのです。これだけで「変数」が使えるようになるとは思いません。でも、きっかけとしてはかなり良質な体験を提供できているのではないかと思ってやっています。MCブロックビルダーは、Scratchの理解を助ける万能ツールではないのですが、このような使い方をすれば「変数」というプログラムで必須の概念を、わりとすんなり体に染みこませることができるのではないかと思います。プログラムの中での「変数」の使いこなしをトレーニングするツールとしてはかなり意味があるのではと思っています。


 実は、このイベントの構成は、ほとんどそっくり、電子書籍「Scratch3.0ではじめるマインクラフト3Dプログラミング: MCブロックビルダーでクリエイティブにチャレンジ」で解説した流れと同じです。書籍ではこの後、座標の使い方を拡張していき、だんだん複雑な作品を作っていくように構成してありますが、最初の流れはほぼこの通りです。なので、このツールでもしイベントやってみようとか、このツールを使って子どもさんにまずScratchやらせてみようと思う方も、ぜひ書籍をご参考いただければと思うのです。



 MCブロックビルダーはフリーウェアです。プログラミング教室や、講師の方がイベントで使っていただくことも可能です。(事前にご連絡いただく必要があります。くわしくはダウンロードファイル内のドキュメントをご覧ください。)上記の流れでイベントしていただいても全く構いません。ただ、その参考として、書籍だけはご覧いただければ幸いです。購入いただくのも、Kindle Unlimitedで閲覧いただくのもどちらでも構いません。ぜひよろしくお願いいたします。




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